研究上のインスピレーションを得た話です。
仕事ではなくプライベートで、家族そして大切な友人たちと、直島『家プロジェクト』を観に出かけてきました。
なかでも印象深かったのは、南寺(James Turrell作)です。
通されるのは、すぐ隣の人さえ手で触れねばわからないほどの闇の中。
指示されたとおりに黙って座り、ただひたすらじっと前を見つめていると、闇の中に徐々に光が浮かび上がってきます。
その間、5〜10分ほど(だそうです)。
でも、実はその光は、部屋に入ったときからほのかに照らされていたものであった、とのこと。
気づかなかったのは、こちらの眼が慣れていなかったからで、時間をかけて暗闇に視線が適応していくと、徐々にそれに気づけるようになっていったという仕掛けのようでした。
人間とは、よくできたものですね。
はじめから変わらず目の前にあったはずのそれに、全く気づけなかったり。
すぐには全く見えないけれど、一定の時間を経た後に必ず、見えてくるものがあったり。
作品という媒体を通じて、モノの見え方とヒトのありようが結びつく実感が、とても刺激的でした。
ちなみに2歳/4歳/6歳の子たちも、それぞれのスタンスで、暗闇の世界そして作品を静かに味わっていましたよ。誰もに拓かれた体験を、みなさんもよければぜひ!
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