24.10.18

『遊びの質を高める保育アセスメントモデルの検討』(松本)

少し前の話になりますが、8月末刊行の『保育学研究』56巻1号(日本保育学会70周年記念号)に、表題の論文が掲載されています。
香川大学教育学部幼児教育研究室の同僚の先生方(片岡元子准教授・松井剛太准教授)と、香川大学教育学部附属幼稚園の先生方(西宇宏美先生・谷口美奈先生)と一緒に、2014年から積み重ねている、写真を使った子ども宛てのクラスだより、名付けて「しんぶん」の実践と考察を、研究論文としてまとめたものです。

一般にドキュメンテーションと呼ばれる、写真やエピソードを使って保育の営みを報告する取り組みは、多くの実践現場で試みられていることでしょう。
いっぽうで、それを丁寧に進めようとすればするほど、どんな写真がふさわしいか、どんな説明を加えたらいいか……あれこれ考える時間と手間が必要となり、気づけばなかなか、それを続けることが難しくなる実態はないでしょうか。

保育実践を捉え、意味づけることは、そもそも誰のために、何のために必要なのか。
今回の日本保育学会70周年記念号の特集タイトルである「保育をいかに『評価』するか:子どもの豊かな生活や遊びを保障するために」という表題をふまえれば、それはまずもって子どものための営みであるはずです。

遊びの中で子どもの声を聴きながら、子どもに宛てたメッセージを重ねることで、さらに子どもの声を引き出し、遊びをふくらませることはできないか。
New Zealandの保育評価で用いられているLearning Storyや、『現代と保育』(ひとなる書房)90号で紹介させていただいた愛媛・鶴城幼稚園の保育実践、小学校をはじめとする学校現場で時折見かける、個性的なクラスだより……。
子どもと共有したり、子どもを宛先にした記録であるこれらの取り組みにヒントを得て着想された「しんぶん」の取り組みは、今もなお発展し、続いています。

論文は、既に日本保育学会会員のみなさんには冊子体で送付されていますが、まもなくJstageにて公開されるはずです。
附属幼稚園では、2019年1月25日(金)に、公開保育を含む研究会を実施しており、そこで実際の様子をみていただくことも可能です。

論文ですので、少々かっちりしたタイトルになっていますが、実践の場で奮闘するひとりでも多くのみなさんに宛てたメッセージのつもりで、子どもたちのエピソードをふんだんに盛り込んでまとめました。
子どもの豊かな生活や遊びを支えるための、それぞれの保育現場にあった個性ある取り組みをつくる一助としてみなさんのお手に届くことがあれば、執筆者一同、大変嬉しく思います。