1.1.19

A Happy New Year 2019(松本)

2019年になりました。あけましておめでとうございます。
日本に続いて、こちらも元旦を迎えました。

ここCanterburyでの生活も、あっという間に残り3ヶ月。
大晦日。今とこれからのいろいろを家族と話す中で、これまでの道のりを長めに振り返る機会がありました。

大学院でもばだばたとがいていた20年前、保育という世界があることを知りました。
短大で笑っていた15年前、保育の研究と教育、そして学生だったみんなと出会いました。
ふたりぐらしから数年を経た10年前、子どもたちとの生活が始まりました。
新しい街そして職場に少しずつ慣れはじめた5年前、国際的に研究する準備を始めました。
そして今、ここまで来て、これからの5年、10年、15年でしたいこと、できそうなことが見えてきたのが、心からありがたいことだと思います。

もちろん、スポンジのような吸収力の子どもたちを前に、次から次へと言葉を忘れていく困った自分を振り返れば、もう5年早く来られれば語学も少しはましだったかも!等々感じることはしょっちゅうです。
とはいえ今、Primary schoolで観察研究を進められているのは、子どもたちを介してこちらの学校でのふだんの言葉づかいや表現、文献では見えない背景を学べたおかげ。考えてみれば子どもたちも、今、この時期にこちらで学べる機会を得られたからこそ、きっと今後につながる経験ができている……。

そう考えると、個々の出来事を振り返って、そのあれこれを論じるのは難しい。
それぞれがこれまで、一歩ずつ歩んできた必然として今の自分たちがあり、それはきっとこれからも同じだろうな、と感じました。

今年もまた、小さな、そして大きなFamilyで支え合いながら、一歩ずつ積み重ねて届くところまで歩んでいきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
みなさまの一年に幸がありますように。

Our very best wishes for a happy new year!


29.11.18

Our new publication articles of early literacy!


This study aimed to explore the pedagogical beliefs held by Japanese early childhood education and care (ECEC) teachers concerning early literacy instruction. 349 ECEC and 45 primary school teachers were asked to complete a two-part questionnaire. The results showed three sub-categories of literacy belief––Direct instruction, Natural development, and Social interaction––and two sub-categories of general pedagogical belief––Adult-centred and Child-centred. These results hold implications regarding how teachers’ individual beliefs influence their various methods of facilitating the early literacy development of young children in ECEC settings beyond differences in educational tradition concerning early literacy.

In this study, we have been inspired by Bronfenbrenner's ecological views of human development and tried to deal with the issues of two contrastive ECEC traditions, i.e. early education and social pedagogy.

If you would be interested in, you can check it for free from https://tandfonline.com/doi/full/10.1080/09669760.2018.1547630
alternatively, here.

We are delighted that you would share this paper with your contacts and use it in your teaching and research.

Thanks and best wishes,
Hiroo Matsumoto and Miho M. Tsuneda




24.10.18

『遊びの質を高める保育アセスメントモデルの検討』(松本)

少し前の話になりますが、8月末刊行の『保育学研究』56巻1号(日本保育学会70周年記念号)に、表題の論文が掲載されています。
香川大学教育学部幼児教育研究室の同僚の先生方(片岡元子准教授・松井剛太准教授)と、香川大学教育学部附属幼稚園の先生方(西宇宏美先生・谷口美奈先生)と一緒に、2014年から積み重ねている、写真を使った子ども宛てのクラスだより、名付けて「しんぶん」の実践と考察を、研究論文としてまとめたものです。

一般にドキュメンテーションと呼ばれる、写真やエピソードを使って保育の営みを報告する取り組みは、多くの実践現場で試みられていることでしょう。
いっぽうで、それを丁寧に進めようとすればするほど、どんな写真がふさわしいか、どんな説明を加えたらいいか……あれこれ考える時間と手間が必要となり、気づけばなかなか、それを続けることが難しくなる実態はないでしょうか。

保育実践を捉え、意味づけることは、そもそも誰のために、何のために必要なのか。
今回の日本保育学会70周年記念号の特集タイトルである「保育をいかに『評価』するか:子どもの豊かな生活や遊びを保障するために」という表題をふまえれば、それはまずもって子どものための営みであるはずです。

遊びの中で子どもの声を聴きながら、子どもに宛てたメッセージを重ねることで、さらに子どもの声を引き出し、遊びをふくらませることはできないか。
New Zealandの保育評価で用いられているLearning Storyや、『現代と保育』(ひとなる書房)90号で紹介させていただいた愛媛・鶴城幼稚園の保育実践、小学校をはじめとする学校現場で時折見かける、個性的なクラスだより……。
子どもと共有したり、子どもを宛先にした記録であるこれらの取り組みにヒントを得て着想された「しんぶん」の取り組みは、今もなお発展し、続いています。

論文は、既に日本保育学会会員のみなさんには冊子体で送付されていますが、まもなくJstageにて公開されるはずです。
附属幼稚園では、2019年1月25日(金)に、公開保育を含む研究会を実施しており、そこで実際の様子をみていただくことも可能です。

論文ですので、少々かっちりしたタイトルになっていますが、実践の場で奮闘するひとりでも多くのみなさんに宛てたメッセージのつもりで、子どもたちのエピソードをふんだんに盛り込んでまとめました。
子どもの豊かな生活や遊びを支えるための、それぞれの保育現場にあった個性ある取り組みをつくる一助としてみなさんのお手に届くことがあれば、執筆者一同、大変嬉しく思います。


30.9.18

『子どもの育ちを保護者とともに喜び合う』(松本)

香川・丸亀ひまわり保育園と、我らが仲間・松井剛太先生による以下の書籍が、ひとなる書房より発売されています。
子どもの育ちを保護者とともに喜び合う:ラーニングストーリーはじめの一歩
丸亀城の下にある素敵な保育園と松井先生がともに重ねられてきた、5年間にわたる実践「メモリー」の軌跡です。

「メモリー」とは、保護者と保育者がともにつくる、子どもに宛てた、写真とコメントを中心とする育ちの記録。
ニュージーランドの保育評価の方法であり、子どもを真ん中に保護者と保育者・保育施設をつなぐかけはしとして機能している "Learning Story" を参考にアレンジされました。

ひとりの保育者だけではなく、他の保育者や保護者、さらにはそのまわりの大人たちといったみんなでつくる「メモリー」は、特別なスキルと知識を前提とする実践ではなく、すぐそばにある保育施設の、さっと手の届くところにある実践です。
子どもの育ちの「記録」や「記憶」としてはもちろん、保育者の専門性の向上や子育て支援の充実という既存の枠組みを超えて、「メモリー」に関わるさまざまな人たちの豊かな育ち合いがめばえる様子を、本書から大いに味わっていただければと思います。

それぞれの保育現場で、アレンジされた次の「メモリー」が生まれること。
この一冊に託された願いを受け取り、つなぎ、ふくらませていくのは、私たち一人ひとりの役割です。


31.7.18

In bocca al lupo(松本)

7月も今日で終わり。こちらでの生活も4ヶ月。つまりは1/3が経過しました。
日本とは比ぶべくもないですが、こちらも例年に比べると、先週までの数週間はかなりの猛暑。先週はイギリス記録の38.5度(ここKentでの記録のようです)を越えるとか越えないとか言われていました。今週はすっかり落ち着いています。

今月は年度末。
駆け込みで取り組んだのは、秋以降に調査のために定期的に訪問をお願いするprimary schoolの確保と、研究を進めるためのさまざまな手続きです。
夏休みは、多くの人がまとまった休暇を取り、primary schoolとも休み中に連絡をとることは難しいようで、結果的にあれこれの手続きを思った以上に急ぐはめになりました。

最も難儀したのは、調査にあたっての、研究倫理が担保されているか承認をとるための、学内委員会への申請のための書類作成です。英語では経験がない内容の書類を、短期間でそれなりの量と質で仕上げる必要があり苦戦しましたが、ありがたくもいろいろな人の手を借りながら、終わってみれば〆切より少し早く仕上げることができました。いやはや珍しい!
研究計画に関するpeer review として同僚にコメントをもらうことが義務づけられているなど、これまで自分がしてきたプロセスとはかなり異なることが多く、ここまで言葉にして説明するのか!という驚きやひっかかりも含め、よい勉強になりました。
日本の心理学や教育学では、学会レヴェルでは倫理綱領やガイドラインが整備されているものの、どちらかといえば自己点検的な意味合いが強く、互いを尊重しつつ、点検し高め合っていく面は、まだこれからの課題のように思います。
特にお互いのものにコメントしあうのは、透明性の確保と研究内容に関する互いの信頼関係を高めるのにも効果的ではないかと感じました。
新たな共同研究や研究助成申請への道が開けるという、思わぬ副産物にもつながりそうです。ありがたい。。。

さて、7月が年度末ということは、卒業と別れの季節となります。
大学の私の身近なところでも、さまざまな事情があり何人かが職場を離れるということで、少しさみしくなります。
送別のための会で、Coffee & Pastiesを用意するのは旅発つ本人!という、噂には聞いていた風習も経験することができました。

というわけで、数人は新たな道へ。
残る人たちは、Summer Holiaysに突入したり、もうひといき働いてからAnnual leaveに入ったりとさまざま。
きちんと休んで、新しい年度へのエネルギーを貯めているのでしょう。

やりたいことを挙げると時間がいくらあっても足りませんが、こちらももうひといき進めたら、しっかり休んで、貴重な異国での家族との夏休みを満喫したいと思います。

表題は(もちろん!にわか勉強の)イタリア語で、Good Luck!
今日、Milanに戻った隣席の仲間と交わした一言です。
みなさんもよい夏を!




29.7.18

ゼミ: 23rd Jul 2018(さとみ)

7/23のゼミでの15分せんせいの報告をさせていただきます。

今回の15分せんせいはなるみ先生でした!
折り紙でセミを折り、それをスポンジで作ったスタンプを使って描いた木の絵に貼っていって、夏の木をつくろうという活動でした。

折り紙のセミは、好きな色で好きな数だけつくれるということで、それぞれが納得のいくまで折っていました。顔や模様もクレヨンで描き、個性のあるセミがたくさんできていました。
木のスタンプでは、緑と黄緑の絵の具で葉っぱを描いていきました。途中で、スポンジに両方の絵の具をつけてみるとグラデーションができて綺麗なことを見つけ、混ぜたりしながら葉っぱがいっぱいになるまでみんなでスタンプを押していました。
個人での作業もありながら、みんなで一つのものをつくるということで、友だちと協力したり一緒に話し合いながらつくることができるのではないかと感じました。
完成したものは以前つくったかたつむりと一緒にゼミ室に飾り、よりゼミ室が賑やかになりました!

なるみ先生ありがとう!!





15.7.18

夏祭り(松本)

渡英して3ヶ月半が過ぎました。
日本でも、夏真っ盛りの気温と湿度だと思いますが、こちらでも気づけば夏本番に。
大学では、学生は夏休みに入ったようです。イタリアほか、少し早く始まっている欧州各国の夏休みシーズンとも重なるからか、このところ街は平日週末問わず、人々で溢れています。
そして、小学校や中学校は学年の大詰めで、夏休みまであとひといき。こちらの新学期は9月からのため、7月は年度末ということになります。Drama Play(演劇)の発表会やスポーツ大会、ミニ遠足や宿泊活動等、一日おきといっても過言ではないほど、行事が目白押しです。
(ただし、全ての行事が全員参加ではなく、任意参加のものもあります。その子たちのためには、きちんと別の日課が準備されているようです。)

このあいだの金曜日は、小学校のSummer Fairに。
午後の時間、3年生から5年生は、クラス毎のダンスを、間に先生のダンスが入り、最後は6年生全員での合唱。その後は校庭で、それぞれのブースでのレクや飲食を楽しみます。
最後はくじ引き大会。ありがたいことに、プールのチケットに恵まれました!

年度末の盛りだくさんの日々の中、どうやってダンスを準備したのだろう?というところが気になりましたが、聞けば準備の時間は1週間ほど。
完成度はもちろんそれなり。でも、観客である保護者たちも、先生方も、何より子どもたち当人が、自分たちが踊ったり、歌っているときはもちろん、自分の出番以外でもとても楽しそうな様子が強く印象に残りました。
先生方のダンスの際は、観客席で見ている子どもたちの7-8割が、気づけば踊り出してしまうほど。

日本の場合、卒業式といえば、小学校に限らず、幼稚園や保育所においても、練習にかなりの時間を費やすところが大半ではないかと思います。
授業時間の確保が叫ばれる昨今、卒業式に限らず、運動会や発表会など行事の練習や準備の時間をどう捻出するかは、多くの教育現場で悩ましいところかもしれません。

その貴重な1回1回の練習時間は、どこにつながり、何を生み出しているでしょうか?
「ほら、お客さんに笑顔、忘れないで!」と声をかけずとも、子どもたちがしぜんと笑顔で活動したくなるために、必要なものはなにか。
今、その指示を子どもたちに繰り返すことが、何を可能にし、何を制約するか。
私も含め、日本の保育や教育に関わる大人が、改めて振り返る価値のある課題ではないかと感じました。

学校に関わる比較教育の研究では、どちらかといえば、学力テストや、正課カリキュラムから見えてくる内容等、データとして可視化しやすい部分から論じられることが多いかなと思います。
それらの大切さは、多くの研究者が指摘するとおりでしょう。
いっぽうで、意外とこのような、課外も含めた日々の働きかけの繰り返しこそが、具体的な子どもの自己形成として折り重ねられ、インパクトをもつのではないか。
そんな視点を織り込みつつ、こちらでの新しい調査の準備を進めているところです。