火曜日, 12月 26, 2017

むずかしそうだけど友だちみたいにやってみたい!(伊藤)

   失礼します。幼児教育コース3年伊藤夏海です。今回は保育内容の指導法(人間関係)の授業で、「むずかしそうだけど友だちみたいにやってみたい!」という実践について討議し、考えたことを書きます。

   この実践は保育者が一人ひとりの頑張りや成長に気付いて欲しい、友だちの頑張っている姿を見て、自分もやってみよう!とチャレンジャーになって欲しいというねらいを持って取り組んだ実践です。
   保育者は子どもたちの大好きな絵本「おたまじゃくしの101ちゃん」な登場するザリガニ親分になり、子どもたちと対決ごっこが始まりました。強いカエルになるための修行として、子どもたちは鉄棒や縄跳びに挑戦しました。保育者はお互いに見せ合う場面を大切にしており、まだできない友だちに教えたり、できた時一緒に喜んだりする姿が見られるようになっていきました。そして、運動会では一人ひとりの力を出し切り、力を合わせてザリガニ親分をやっつけることができ、クラスの全員で「やった!」と達成感を満喫しました。

 今回はこの実践から「3歳児が友だちへの信頼感をはぐくみ、友だちに目を向けられるようになるための具体的な手立て」について議論しました。

  この実践ではザリガニ親分を倒すという共通の目的があり、その為にそれぞれが鉄棒や跳び箱で修行をしていました。上手くできなくても友だちのようにやってみたいと思えたり、できない友だちに教えてあげたいと思えたりするのはどうしてか考えた時、この「共通の目的」があった事が3歳児にとってポイントとなったのではないかと考えました。もしこれが、個人の目標であれば、自分ができるようになればそれで満足するし、できないと心が折れてしまうかも知れません。しかし、共通の目的があることでできるようになりたいという思いも強くなり、さらに自分だけができても達成できないため友だちにも教えたいという思いが芽生えるのではないでしょうか。

  3歳児はまだ、自分から友だちへ目を向けたり、自分で友だちの頑張りや思いに気づくことが難しい時期です。そのため、保育者が遊びや活動の中で友だちの姿を伝えていくことが必要だと考えます。その時に、共通の目的や目標に向かう活動の中の姿であれば、より子どもたちはその友だちの素敵な姿を感じることが出来るのではないでしょうか。そして、その目的・目標をみんなで力を合わせてやり遂げることで、達成感を共有でき、共通の経験が積み重なっていくことで、友だちの存在がだんだんと大きくなっていくのではないかと考えました。

『自然』とともに展開した2歳児保育 そのII -絵本の世界を楽しみながら『自然』とつながろう(中野)

 失礼します。幼児教育コース3年の中野です。今回は「『自然』とともに展開した2歳児保育 そのII -絵本の世界を楽しみながら『自然』とつながろう」(松本博雄・「二歳児の『一緒に心を動かす』を支えるもの」現代と保育)という事例について討議し考えたことについてかきます。

 この事例は、友だちとのかかわりがどんどん広がり、楽しいものになっていくこの時期に、子どもたち一人一人の世界が『自然』と『絵本』を通してよりおもしろく楽しいものとなっていくための手立てはどのようなものがあるか。また自然や人との繋がりがより心地よいものとなっていけるような働きかけとは具体的にどのようなものか実践した記録です。

 この実践記録の討議から絵本の良さとは何かを考えました。話し合いを通して挙げられた絵本の良さはたくさんありましたが、まず、当たり前ではありますが絵があるということが大きなポイントであると思いました。二歳児のとなると言葉を理解する力はまだまだ乏しいし、語彙力もそこまで多くありません。そんなとき、子どもたちの中でイメージを膨らませる手助けをしてくれるのが、絵本の絵であると考えました。クラスの子どもたちに読み聞かせをすると、子どもたちの中に絵本の絵が共通のイメージとして認識されます。そのおかげで、この実践にでてくる子どもたちは共通のイメージをもっておばけちゃんのおうちごっこを楽しむことができたのだと思いました。授業で実際におばけのおつかいの絵本を見て、特に印象に残ったのが「おばけヤナギ」です。柳の木はどこにでもある物ではないし、子どもたちの生活にとって身近なものではありません。おばけのおつかいの絵本を通して「おばけヤナギ」の絵が子どもたちの頭の中に残っていなければ、子どもたち自身で柳の木に興味をもつことはなかっただろうと思います。このように保育者が無理やり保育に自然を取り入れようとするのではなく、子どもたちが絵本での体験を通して自ら自然とつながっていく姿が理想的であるとも感じました。

 また、絵本を保育室に置いておくと、子どもたちが自由に何度も見ることができることも絵本の良さであると思います。特にこの実践は二歳児ということで繰り返しを楽しむ時期です。このような時期に子どもたちが「何度も読みたい!」と感じ、夢中になれる絵本に出会えたことがこの実践の大きなポイントであると考えました。ストーリーの長さや年齢にとらわれず、保育者が今の子どもたちにぴったりな絵本を見つけ出し、さらにそれをいつでも手に取って見られるように保育室に置いておいたという保育者の環境設定も重要だったと思います。

水曜日, 12月 13, 2017

身ぶり表現・ごっこ遊びってこんなに楽しいっ!(笠井)

 失礼します。特別支援教育コース3年の笠井祐里です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業において、「身ぶり表現・ごっこ遊びってこんなに楽しいっ!」という事例(大阪:さくら保育園 2歳児ひまわり組の保育実践 ちいさいなかま編集部(編) 保育のきほん2・3歳児 ちいさいなかま社)について討論を行い、考えたことを書きたいと思います。

1歳児クラスから進級してきた子どもたちのなかで、数人の新入児は少し離れて様子を伺っているような状態からスタートした2歳児ひまわり組。生活経験を土台とした表現遊びを楽しみ、さらに友達と一緒に遊ぶ楽しさも感じてほしいと考え、実践されている事例です。

保育者は、絵本に登場した「とんぼのあかねちゃん」を生活の中に取り入れて、実体験に結びつくような場を設定されています。実際にクラスでヤゴを育ててとんぼになる姿を見たり、クモの巣探しに夢中になったりすることで、あかねちゃんの絵本の世界から、子どもたちのイメージもふくらんでいきます。そして、運動会種目「とんぼのあかねちゃんごっこ」では、新入の子どもたちも一緒になって表現することを楽しむことができました。

この実践を踏まえて、豊かな身体表現を促すための手だてについて考えました。討議では、まずは楽しい雰囲気作りをすることで、遊びの延長線上に表現活動を引き出すことが必要だという話になりました。嬉しい、びっくりしたなどと感情が動いた経験だからこそもう一度再現したくなるのではないかと感じたので、そのような場を設け、子どもたちの気持ちがたくさん動く機会を作っていくことが大切だと思いました。

火曜日, 12月 12, 2017

1歳児なりの主体性を考えて(西村)

失礼します。幼児教育コース3年の西村彬です。
今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で「1歳児なりの主体性を考えて」(山形県山形市:とちのみ保育園1歳児クラスの事例/松本博雄(2012)『一歳児の「自分で思って、自分で決める」をどう育むか』現代と保育(ひとなる書房)84号, 122-139)という事例について討議し、考えたことを書きます。

この事例は、自分の思いや主張がまだ弱い一歳児なりの主体性を育むために、保育者はどのように働きかけるか。園での生活、遊びの中で子どもが思いを伝える、自分で決めるために具体的にどうすればよいのか実践したものです。
保育者は、子どものなかで同じイメージを持って遊べる体験を考え実践しました。最初は、大人に伝えたいという主張だったのが、主張し、そのことに友達が共感してくれることに喜びを持てるようになりました。また、大人からのイメージの発信から子どもからの発信へと変化していきました。

討議の中で、待つことの重要性ということが話題になりました。保育者からの発信ばかりでなく、子どもの気持ちが整理できるように待つことも大切だとわかりました。「共感」ということが今回の実践において重視されていましたが、共感とは子どもの主張を待って受けとめるだけでなく、自分からも働きかけ引き出すことであるということも討議のなかで考えることができました。

主張することに不安を持つ子どもの思いを受けとめて、引き出すという共感から子どもの主体性を育てていくことが大切だと感じました。

月曜日, 12月 11, 2017

興味を引き出す「くり返し」(西崎)

失礼します。特別支援教育コース3年の西崎葵です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で、「興味を引き出す『くり返し』」という事例(松本博雄・第一そだち保育園『子どもとつくる0歳児保育:心も体も気持ちいい』ひとなる書房)について討議し、考えたことを書きたいと思います。

この事例では、保育者への発信は多いけれど、保育者からの働きかけに対しては少し反応が薄いとおるくん(10ヶ月)にとって、受け止めやすい働きかけをするにはどうすればよいかということを考えていました。その中で保育者は、毎日の生活の中でくり返し思いを歌に乗せて伝えたり、実物を見せながらやってみたりしていきました。また、「楽しいね」「おもしろいね」と目を合わせ、気持ちを共有していくことも大切にしていました。

論点として、子どもにとって分かりやすく受け止めやすい働きかけとは具体的にどうすればよいかを考えていく中で、言葉だけでなく、歌や実物を見せたり実際にやってみせるなど、視覚や聴覚、身体といったさまざまな感覚を使って伝えるとより効果的ではないか、という意見がありました。また、子どもの発見を見逃さないようにしっかり観察すること、その発見を次の活動のきっかけにしていけるようにすると、子どもにとって受け入れやすい働きかけとなるのではないかという意見も挙げられました。


子どもたちは身の回りのさまざまなものに興味を示します。子どもの目線の先にあるものを探って、「何だろう」や「やってみたい」という気持ちに寄り添うことが大切だと感じました。そして、子どもたちが受け入れやすい方法で、生活の中で何度もくり返すことによって、子どもたちの興味をより広く深くしていくことができるのだと思いました。

ハッとする心の動きをつくり出す(日高)

 失礼します。小学校教育コース3年の日高紀世美です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で『ハッとする心の動きを作り出す』という保育事例(松本博雄・第1そだち保育園『子どもとつくる0歳児保育:心も体も気持ちいい』ひとなる書房)について討議し、考えたことを書いていきたいと思います。

 この事例は、こだわりがあり、その世界に入りこんでしまうかずまくん(1歳3ヶ月)が、人間関係を作る上で大切である「自分の世界の外へ意識を向けること」ができるようになるために、ハッとする心の動きを保育者がつくり出し関わっていくという実践です。

 ハッとする心の動きをつくるために、保育者は日替わりで違うお面をかぶり登場してみる(朝の挨拶時)、手遊びを繰り返し楽しめるようにしつついつも同じものにならないようにする、りんごの皮むきを子どもたちが目の前で見られるようにするという3つの働きかけを行いました。その働きかけから子どもたちの中にはハッとする心の動きができ、少しずつ外の世界へと意識を向けることができるようになっていきました。

 討論では、子どものハッとする心の動きにつながる活動や働きかけを考える時のポイントにはどんなものがあるのかということを論点としました。事例を踏まえ、子どもが意識を切り替えやすいように変化のあるもの・変化の過程が見れるものを活用すること、その子が自分の世界の外で興味を持つことができるものを増やすという考え方をすることが良いのではないかという意見が出ました。また、発展した内容として、こだわりを排除するのではなくてそのこだわりを利用した働きかけを考えてみるのはどうだろうかという考えも出てきました。


 子どもが違いや変化に気付いたり、違いや変化を感じたりしてハッとし、自分の外の世界へ意識を向けるためには、子どもがわかりやすい違いや変化があることが必要だと思います。そのハッとできる違いや変化は、子ども自身ではつくり出すことが難しいものであるので、保育者が考え、子どもに働きかけていくことが大切であると感じました。こだわりについては無理に排除しようとせず、外の世界へと目を向けるために上手く用いることができないかという風に考えてみると、保育者はその子どもに寄り添った働きかけが考えていけるのではないかと思いました。また、この事例では子どもが人間関係を広げていくためのプロセスである自分の世界の外に意識を向けるということに注目をしていました。人間関係を広げることに直接焦点を当てるのではなく、そのプロセスを考えて段階的に働きかけをしていくことも大切であると考えました。

月曜日, 11月 20, 2017

特定の保育者から離れられないちひろちゃん (伊加)

  失礼します。特別支援教育コース3年の伊加彩音です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で、「特定の保育者から離れられないちひろちゃん」という事例(松本博雄・第一そだち保育園『子どもとつくる0歳児保育ー心も体も気持ちいい』ひとなる書房)について、討論を行い、考えたことを書きたいと思います。

  この事例は、特定の保育者と一緒のときにしか安心感を感じられず、落ち着かないちひろちゃん(7ヶ月)が、安心感・期待感を得るためには、また、人間関係を広げ、楽しい時間を積み重ねるためにはどうすればよいかを実践したものです。

  保育者は、ちひろちゃんの期待感を育てるために、好きな遊びは何か探ることから始め、楽しい時間を積み重ねていきました。その結果、ちひろちゃんと、期待・楽しみが伴ったやりとりができるようになり、新しい担任の保育者は、楽しい時間にいっぱい関わっていきました。

  討論の論点は、特定の人物にこだわっていた子どもの人間関係を広げるためには具体的にはどうすればよいかということでした。この実践を踏まえて、心が不安定な状態では安心できる人の側からは離れにくいだろう、楽しい時間ならば、楽しい遊びを一緒に遊ぶ大人と認識し、人間関係が広がっていくのではないか、という話になりました。

  好きな遊びを探り、安心できる人を通して環境の変化にゆっくりと慣れていったり、新しい人と関わって楽しい時間をたくさん積み重ねたりすることが大切だと感じました。


どうやったら眠れるかな?(塩見)

 失礼します。幼児教育コース3年の塩見華奈です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で、「どうやったら眠れるかな?」松本博雄・第一そだち保育園『子どもとつくる0歳児保育:心も体も気持ちいい』ひとなる書房)という事例について討議し、考えたことを書きます。

 この事例は、ぐっすり眠れないりゅうじくん(3ヶ月)が気持ちよく眠れるために、保育者はどのように働きかけるか。家庭での生活リズムも踏まえつつ、園の生活リズムに慣れるためには、具体的にどうしていけばよいのか実践したものです。

 保育者は途中で腰をゆらゆらすることで、りゅうじくんが眠れることに気が付きましたが、「寝かせられること」が目的にならないように、「それでしか寝ない」ではなく、やっぱり自分で眠くなって寝ることを大切にしたいということでした。
 1つの方法を見つけたら、その方法をずっとやってしまいがちですが、なぜ保育者はそれでも試行錯誤をし続けたのか話し合いの中で話題になりました。
 この方法でしか眠れないというよりは、この方法でも眠れるし、あの方法でも眠れるというように、子どもの選択肢を増やすことが大切なのではないかという話になりました。
 確かに、0歳児の赤ちゃんは自分で選択肢を増やしたり、考えることは難しいので、大人と一緒に眠れる選択肢を広げていくことが大切だと思いました。まさに、子どもとつくる保育だなと感じました。

土曜日, 11月 18, 2017

動けるうれしさが心を育む(西本佳世)

 失礼します。特別支援教育コース3年の西本佳世です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で、『動けるうれしさが心を育む』という事例(松本博雄・第一そだち保育園『子どもとつくる0歳児保育:心も体も気持ちいい』ひとなる書房)について討議し、考えたことを書きたいと思います。


 

 この事例に登場するさやちゃん(1歳2ヵ月)は、環境の変化が苦手で、先行する「気持ち」に追いつけるような体の「動き」ができません。保育者は手を添えながら、いろいろな体の使い方を知らせたり、さやちゃんの気持ちを大切にして成長を一緒に喜んであげたりすることで、さやちゃんは環境が変化しても気持ちと体のバランスがとれるようになっていきます。

 討論の論点は、環境の変化による不安定な気持ちに対して、具体的にどのような手立てが考えられるかということでした。皆と話し合っていく中で、さやちゃんが信頼をおいている川瀬保育士を介して他の保育士とも喜びを共有したり、一緒に遊んだりすることで、少しずつ新しい環境に慣れるような支援をするとよいのではないか、保育士が逆模倣をすることで、同じ動きを通して近い存在であることを認識していけるようにするとよいのではないかという意見が挙がりました。

環境の変化によって不安な気持ちになるのは、誰にでもあることです。まずは、信頼関係を築き上げるために、誰と楽しい時間を共有するのか、さやちゃんにとって安心できる環境・人・時間はどんなものか、さやちゃん自身が何をしたがっているのかなど、さやちゃんの心が満たされるための工夫をしていく必要があると感じました。

月曜日, 9月 04, 2017

EECERA 2017 Conference(松本・松井)

松本・松井の両名で、8/29-9/1という日程で、ヨーロッパ乳幼児教育学会に参加し、研究発表をしてきました。
松井先生は二度目の参加、私は初めての参加になります。
会の位置付けとしては文字通りヨーロッパになりますが、ヨーロッパ各地はもちろん、アジア、中東、アフリカ、オセアニア、北中南米とまんべんなく参加者があるので、実質的には世界の保育・乳幼児教育研究の中核を担う会と言ってよいと思います。
全体では1100人の参加がありました。

会全体のテーマは 'Social justice, solidity and children's right' 社会正義、連帯と子どもの権利。
基調講演をはじめ各セッションでは、What education is for? / What is Early childhood education for? For whom? Who says so?
つまり、何のための、誰のための教育・保育か?が繰り返し問われていました。
そして、それぞれのセッションにおける、保育内容、カリキュラム、評価、実践等々の議論を貫き何度も登場していたキーワードは
Democracy 民主主義
Pedagogy in Participation 参加を基盤とする教育
Equality 平等
Companionship 協同
Respect to children 子どもの尊重
Ensuring children’s rights 子どもの権利の保障
Public communication 開かれたやりとり
Cultural and social diversity 文化と社会の多様性
social cohesiveness 社会のまとまり
などでした。

教育や保育に関する政策を私たちが受け取る際、今、目の前の社会のおかれている状況との関係を考え、議論の方向性をイメージし、それらを理解しようとすることが一般には多いのではと思います。たとえば少子化や経済状況があって、この方向性なのか、といったぐあいです。

いっぽうで長い単位を考えてみると、それが国際的な方向性と強く関係して展開することは不可避だと思います。
これからの乳幼児教育は、子どもとつくるものであり、その際は子どもはもちろん、大人も子どもをはじめとする他者とのコミュニケーションを介して陶冶されていく。
その帰結点が、民主主義ということですね。

つまり、日々の保育実践は、民主主義すなわち私たち一人ひとりにとって幸せな社会をつくるためにあるものだし、かつそういう方向でこれからの社会を担う子どもを育むことが、これからの乳幼児教育に強調されていく方向性と予測することができます。
目の前に提示されている課題に向き合う際、これから向かうであろう、大きな流れを俯瞰して実践や研究を展開していくことが、結果的に目の前の実践や研究を位置づけ、見通すことになることを、改めて実感することができました。
一人ひとりが、それぞれのやりかたでできることがあるのだと思います。

自分たちのセッションでは、
What do ECEC children learn through art appreciation in museums?
というタイトルで、少し前のものになりますが、香川県立ミュージアムや地域NPOと協同しての取り組みを発表しました。
国宝だから、誰かが言うからすばらしいではなく、自分たちが好きな作品を、自分たちの手で見つける経験ができるために。
その意味では、今回の会のテーマと重なります。

大規模な会であったことも合わせ、自分たちがこの発表を通じ、ヨーロッパ乳幼児教育学会に十分貢献できたかというと?まだまだ継続と努力が必要ですが、上記のような国際的な保育の熱い流れを、文献だけではなく改めて確認し、実感できたという意味で、こちらとしては多くの学びを得る貴重な機会となりました。
街の気温も、会での議論も、Gala Dinnerでのダンスもアツかったです!(さすが。。。)









木曜日, 7月 06, 2017

6/26ゼミ


失礼します。松本ゼミ3年のしおみです。
この日の15分せんせいはゆうき先生です。
お花紙、綿をビニール袋に詰めてカラフルヨーヨーを作りました。
1歳児さんの中には、お花紙を上手にちぎれない子もいるかもしれませんが、ビニール袋の中に詰めるだけでも楽しいと思えるのではないかと感じました。また、綿の感触がふわふわしていて気持ち良かったです。
ネコを作ったり、てるてる坊主を作ったりとみなさん個性的なカラフルヨーヨーができていました。とても楽しかったです。

ゆうき先生ありがとう!






火曜日, 7月 04, 2017

2017.6.12 ゼミ


松本ゼミ3年のゆうきです。

6月12日の15分せんせいではなつみ先生が「新聞紙で遊ぼう」をしてくれました。


新聞紙には、破る・ちぎる・丸める・見立てる・音を楽しむなど、様々な遊び方ができるという魅力があるということを実感しながら新聞紙遊びを楽しむことができました。

また、大小のビニール袋も用意されていたことで、風船やボールのようにして遊ぶこともできました。それだけでなく、ビニール袋があることによって、たくさん遊んで散らかった新聞紙を楽しく集められるため、子どもが「片付け」を「遊び」と思えるような工夫も込められていました。


可能性が無限大な新聞紙だからこそ、遊び方を絞ってみても楽しくなりそうだと思いました。乳児ではなく幼児だとどのような遊びの展開ができるのだろうということも考えさせられました。


みんな楽しそうでした!










6/5ゼミ

更新が遅くなってしまい申し訳ありません。松本ゼミ3年のしおみです。

この日のゼミはあいち小児保健医療総合センターから松本先生の教え子さんである、さえさんが来てくださいました。
今まで、病院で働く保育士を想像できませんでした。病院の中には、言語聴覚士や臨床心理士など様々な職種の方がおられます。その中の1つに保育士があります。保育士は医療的な処置はできませんが、子どもに限らず、家族の心のケアをされているということを知りました。
子どもの死に直面することもあり、その後の家族支援も大切にされているそうです。私たちの日常では触れることのないようなお話を聞かせていただきました。

さえさんありがとうございました。


2017.5.29 ゼミ

松本ゼミ3年生のゆうきです。
更新が遅くなりましたが、これから5.6月のゼミの報告をしていきます。


5月29日15分せんせいでは、しおみ先生が「小麦粉絵の具」を紹介してくれました!


とろとろぷにぷにしていて気持ち良く、触るだけでもとても楽しかったです。画用紙へのフィンガーペインティングも楽しむことができました。


乳児の遊びということで、小麦粉と食紅という口に入れても安全な素材を使うという工夫がされていました。途中で、小麦粉絵の具を作る時にどうして火にかけるのか、というが話が挙がり、火にかけた方がとろとろになるのではないか、という意見が出ました。


大きな紙を使ったり、ボディーペインティングをしたりといったダイナミックな遊びにも発展させることができるというしおみ先生のアイデアを聞き、楽しそうで是非やってみたいと思いました。


素敵な作品がたくさんできました!







火曜日, 6月 27, 2017

今年のファミリー(松本)

こんなメンバーでスタートしています。
なかなかの大家族。
男子も初めて加わりました!
時にSpecial Guests も交えながら、毎週楽しく研究や学びを進めております。
一人ではできないことを、みんなの力で一歩ずつ。




木曜日, 4月 27, 2017

土と掌と仲間のものがたり 第3章(松本)

一昨年昨年に引き続き、今年もまた、保育内容の指導法(環境)にて、誰もがつい惹きこまれる、例のアソビにチャレンジしました。
「夢中になる」「追究したくなる」ってどういうこと?
ここで必要なのは、よく乾いた土と少しの水、自分の掌、そして一緒に楽しむ仲間と時間です。

天候にも恵まれ、これまでで一番見事な出来映えとなりました!
本日の三英傑いわく、必要なのはだんごへの愛情ということで共通しておりました。
ふむふむ。
よければ、またやりましょう!












木曜日, 4月 20, 2017

たかまつ父親手帳(松本)

高松市子育て支援課より、『たかまつ父親手帳』第2弾が発行されています。
第1弾に引き続き、NPO法人わははネットによる企画・制作で、松本も監修者としてちょこっと参加いたしました。
高松市で出産・子育てされるみなさんに、母子手帳とともに配布されています。
機会がありましたら、手にとっていただけると嬉しいです。
以下からも概要や新聞記事等、ご覧いただけます。


まもなく新しい生活が始まるみなさん、おめでとうございます!
今しかない、今だからこそ味わえるかけがえのない時間を、ぜひ満喫してください!
子どもと家族、そのまわりのみんなのために。そして何よりあなたのために。

金曜日, 3月 24, 2017

卒業式でした(松本)

今年もまた、卒業・修了の季節がやってきています。
香川大学教育学部幼児教育研究室からは、今日、10名の学部生、2名の大学院生が巣立っていきました。

さて、バトンも靴も十分に磨いておきました。次はみんなの番です。
大学で、みんなで一生懸命ディスカッションして、ともに考えた保育実践や、あさっての社会のありかたに実際に息が吹き込まれるかは、ひとえにこれからのみんなにかかっています。

大丈夫。何かあったとき、あなたを大切に思い、支えてくれる場所はずっとここにあるのだから、子どもと遊びの力、自分たちの可能性を信じて、新しい世界へ足を踏み出していきましょう。
一歩前に出る勇気があれば、きっと始まる何かがあります!
卒業・修了おめでとう!



月曜日, 2月 20, 2017

子どもとともにつくりあげていこう―初めての年長保育をとおして―(近藤あか里)


失礼します。特別支援教育コース3年の近藤あか里です。

今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で『子どもとともにつくりあげていこう―初めての年長保育をとおして―』という事例をもとに討議を行い、考えたことを書いていきます。

 

この実践には、保育士になって3年目の保育者が、年長にあがり落ち着きのない子どもたちをなんとかしようと奮闘する姿が描かれています。最初の頃は子どもたちの中に入らず、傍から見守ることが多かった保育者。子どもたちの発想で自由に遊んでいるのだからとあまり深くは中に入っていきませんでした。しかし、子どもたちの外にいることで、トラブルが起きても事後対応となることが多く、どうしたらよいのかと悩みます。いろいろと考えを巡らせる保育者でしたが、子どもたちのことをもっと知りたいと思った時、外から見守るだけではなく、子どもの遊びや関係の中に踏み込んで入って理解していかなければいけないことに気づいていきます。

様々な実践を通し、子どもと一緒に考えることのできる環境づくり行うことで、保育者も子どもの「仲間」の一人となり、子どもとの関わりを深めていきました。

 

今回の討議を通して多くのことを考えさせられました。結局見守ることよりも子どもの中に入っていくことが大事なのか。子ども理解をする際大切なこととはなんなのか。

要はバランスが大切なのだと思います。子どもの中に入らず見守ることで、子どもたちだけで成長していくことだってありますし、子どもの中に入って一緒に成長していくこともあります。状況把握をしっかりと行い、その場、その子に合った対応を行うことが大切なのだと思います。

また、共感する気持ちも大切だなと感じました。先生が子どもの仲間に入ろうとしても、子どもから見たら先生は先生です。子どもに仲間と感じてもらうために、気持ちの共有や共感する気持ちが大切だと思います。そのために適切な題材選択を行うことも必要な場合もあるでしょう。

言うことは簡単ですが、実際に行うとなると難しいことです。そのため、在学中の時間のあるうちに自分の中の引き出しを増やしていきたいです。卒業まであと1年。あっという間に過ぎて現場に出ることとなります。「子どもとのやりとり」の引き出し、「楽しいこと」の引き出し、「遊び」の引き出し等、残りの時間で様々な引き出しを増やして現場に出ることができたらなと思います。

火曜日, 2月 14, 2017

友だちとともに自信をもって卒園すること(瀧 寧々)


失礼します。幼児教育コース3年の瀧寧々です。今回は、保育内容(人間関係)の授業で『友だちとともに自信をもって卒園すること』という事例(京都府:朱一保育園5歳児クラスの実践 ちいさいなかま(全国保育団体連絡会/ちいさいなかま社)615号(2015))について討議し、考えたことについてまとめていきます。



1クラス36人の5歳児ぞう組の子どもたちの実践です。進級当初、ぞう組の子どもたちの中には、どこか自信のない子が多くいました。自己肯定感を高めるために積み重ねた保育(一対一、友だちの中で認められる、自分で達成感を感じられるように、手ごたえ、共同でなしとげること)を大切にすることが、なかまとともに自信をもって卒園することにつながっていくといった実践でした。保育の前半では、子どもの不安や緊張をうけとめ、寄り添うことを大切にしてきました。保育の後半では、「なかまの中で弱い自分を出していいんやで」という願いをもって保育をしてきました。


グループごとに分かれて、次の2点の論点で話し合いをしました。


まず1点目は、“5歳児保育の中で子どもたちがまるごと自分をわかってもらえている・認められていると感じるためには?”です。まず、この論点を話し合う上で、まるごとってなに?という話が出ました。できない自分もさらけだせることができたら、まるごと?ありのままの自分でいれることがまるごと?という意見もありました。話し合いを進めていく中で、評価の多様性・活動の多様化が、子どもをまるごと認めていくことにつながるのではないかという話がでました。
できる、できないを強く意識してしまう5歳児。できる、できないは視覚化されやすいため、子どもたちも、保育者もそこに目がいってしまいがちです。しかし、だからこそ、そこだけにとらわれるのではないということが、大切なのではないかと感じました。「できなくても、頑張ろうとしているあなたのことを、私もみんなも見ているよ。わかっているよ。」と見守り、その姿を支えていくことが、その子のことをありのまま、まるごと受け入れることにつながっていくのではないかと考えました。


次に2点目は、“保育の中における、行事の意味は?保育者はなにを願って、行事に取り組むのか?”です。実践の中でも、運動会や生活発表会を通して子どもたちが達成感、満足感をもち、自己肯定感を高めていっていました。行事といえば、毎年その時期がきたからやらなければいけない。だから、する。行事が1つのゴールになるといった取り組み方になってしまいがちなように思います。しかし、行事にねらいをもって取り組むことで、その行事が次の遊びや、新しい子どもたちの姿につながっていくこともあるということが話し合いの中ででました。子どもたちの主体性を大事にしながらも、保育者のねらいをしっかりともって、題材を決めていくことも行事のキーワードだと感じました。



講義の最後に松本先生がおっしゃっていた、「子どもと つくる 保育だからね!」という言葉が忘れられません。保育者だけがいくら頑張っても、子どもたちだけがいくら頑張っても、うまくいきません。子どもと保育者が一緒になって、遊んだり、楽しんだり、考えたり、葛藤したり、することが保育なのだと改めて感じました。

火曜日, 2月 07, 2017

ブロック遊びからかまぼこ板を用いた遊びへ(小野汐里)

失礼します。特別支援教育コース3年小野汐里です。

今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で『幼児期の協同的経験を支える保育環境に関する研究 -モノの役割に焦点をあてて-』という論文の中の4歳児クラスでの事例、「ブロック遊びからかまぼこ板を用いた遊びへ」から考えたことについてまとめます。

この事例の行われた対象園は、4歳児クラスは進級児と新入児の混合クラスとなるため、保育者は不安を感じやすい子供たちに対しての安心できる環境構成の一つとして、保育室にブロックを用意しました。動物などの具体的な形のものを含むブロックから、自由度が高く、比較的数が多く用意できるかまぼこ板へ子どもたちの遊びが発展していくという内容でした。

ディスカッションでは「4歳児の子ども間の協同的な学びを支えるため、モノを通して保育者はどのような関わりができるか」について話し合いました。今回の実践のブロックからかまぼこ板へ遊びが発展していったという内容から、子どもたちの協同的な学びを促すモノは、必ずしも具体的で目的が明確である必要はなく、多様な可能性を内包したモノと、それに対するイメージを膨らませていける基盤となる経験によって子どもの学びが発展していくということが読み取れました。グループの話し合いでは、「協同的」とは、同じ目的をもってみんなで、という意味であるので、自由度が高く、大人数でもできる遊びが学びを深める要素になるのではないかという意見が上がりました。大人数の遊びの中で、それぞれの遊びの様子を「こんなのができているよ」などほかの子どもに広げる声掛けを行ったり、怒ってしまったトラブルを価値あるものとして捉え、子どもの気持ちを認める働きかけを行うことで、「みんなと一緒に」という気持ちを育むことができるのではといった話が出ました。

また、クラスの中の子どもたちの意識や人間関係の段階も重要だという話が上がりました。今回の事例では、はじめは楽しかったブロック遊びから、少しずつ不便さを感じ飽きてきたタイミングでかまぼこ板を用意したことで、なんにでも見立てて遊べるかまぼこ板を使った遊びが発展していきました。また人間関係においては、まだ子どもたちの関係性が広がっていない中で数の少ないモノを用意してしまうとトラブルが生まれてしまいますが、反対に十分に作られているときには、子どもたちの間でのやり取りも多く生まれるのではないかという意見でした。

4歳児は自分の心の中の言葉の発達によって、想像力・空想力が豊かになる時期です。かまぼこ板や、自然物、また物体だけではなくイメージなどの形を持たないものなどの様々な見立てができるモノを通し、保育者が子どもたちの想像力を膨らませる、認める声掛けを行うことにより、子どもから子どもへ自分の遊びを広げていこう、そこに参加したいという意欲を育み、遊びを広げてゆくことができるのではないかと考えます。そこに共通したイメージを加えることにより、同じ目標に向かってみんなで、という一緒に遊び協力するための手掛かりが生まれていくだろうと感じます。そのためには、保育者が子どもたちの興味関心、考えに目を向け、受け止めていく働きかけが大切であると考えることができました。

日曜日, 2月 05, 2017

それぞれの友だちへの一歩を支える(中桐宗一郎)

失礼します。幼児教育コース3年の中桐宗一郎です。今回は保育内容の指導法(人間関係)の授業で『それぞれの友だちへの一歩を支える』という事例(名古屋市 社会福祉法人熱田福祉会けやきの木保育園4歳児わかばぐみの保育実践 発達する保育園 子ども編:子どもが心のかっとうを超えるとき 平松知子 ひとなる書房(2012))を読み、考えたことについて書いていきたいと思います。


この実践は、いろいろなところで不安を感じ、一歩を出すことができない4歳児わかばぐみの子どもたちの姿を、和田保育者が支えていこうとする実践です。ひろむの思いを引き出すために一対一で受けとめようとするも結局ズブズブの関係になってしまったり、友だちに謝りたいゆらを立ち直りの力を信じて待ったり、運動会に向けて「力を合わせる」「がんばっててかっこいい」ということを、もんもんびゃっこの力を借りながら子どもたちと考え合ったり、2人でいることでしか安心感を抱けないりひととえみかに対して、周りの子どもの気持ちを直接の声で伝える援助などで、2人の関係が「2人であればそれでいい」から「2人でだったらやってみたい」になっていけるように関わったり、和田保育者自身も葛藤しながら、子どもたちが揺れる自分の気持ちと向き合うことを支えていきました。


話し合いでは、気になる子どもの周りの子どもにも目を向けることって大切だよね、周りの子どもの気持ちを保育者が伝えると、保育者からのメッセージが強く伝わってしまうよね、大人は子どもと子どもをつなぐけど、決めるのは子どもなんだよね、などの意見が出ました。

また、2,3歳では子どもが自分の言葉で伝えられないことが多いので、保育者が子どもの気持ちを代弁する援助が大事ですが、4歳では周りの子の言葉をそのままの声で伝える援助をすることで、保育者に言われるより心に響いたり、納得するのではないかなという意見が出ました。りひととえみかが給食に行こうとしないときも、「グループみんな揃ってたらランチルームへどうぞ♪」と言うことで、グループの他の子が2人を自然に呼びに行くことができ、2人も他の子の気持ちに気づくことができたのではないかと思いました。

クラスのグループ分けについても触れていたグループもありました。今回のりひととえみかみたいな子たちってよくいるけど、保育者によっては別々のグループにしていたり、同じグループにしていたりするよね、和田保育者は2人や周りの子の雰囲気を見て、別々のグループでも大丈夫と考えたのかな?という話も出ました。

クラスの雰囲気や子どもたちの人間関係を把握しておくことが大切だねということや、子どもたちが安心して葛藤できるということを保障することが大切ということを確認することができました。

先生や大勢の友だちといっしょに遊ぶ楽しさを存分に感じて(木下香奈)

失礼します。幼児教育コース3年の木下香奈です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で、『先生や大勢の友だちといっしょに遊ぶ楽しさを存分に感じて』という事例(香川県・香川大学教育学部附属幼稚園青組 5歳児)について討議し、考えたことを書いていきたいと思います。

この実践は、子どもたちがドッジボールを通して保育者や大勢の友だちといっしょに遊ぶ楽しさを感じるきっかけとなるのではないかと考え、両サイドの線がなく、平行に3本だけビニールテープで線を引いたコートと、ビニール袋(レジ袋)に新聞を入れて作った痛くないボールを用いてドッジボールを始めました。ドッジボールをする中でトラブルが起こった場合、話し合う場を設け、思いや考えを伝え合いながら子ども同士でドッジボールのルールをつくり、あそびを深めていきました。子どもたちは、ドッジボールを通して、ボールあそびの楽しさを実感したり、大勢で遊ぶおもしろさを味わったりしていきます。また、小学1年生とドッジボールをするという交流を通して、5歳児の子どもたちは自信をつけていくという実践でした。

最初に保育者が定めたドッジボールのルールは、①ボールが当たったら外野に出る②一度床についたボールは当たっても大丈夫③ボールが顔や頭に当たった場合はセーフ④外野にいる人が少ないチームが勝ちというものでした。このシンプルで曖昧なルールにより、この場合はセーフなのか?アウトなのか?という場面も出てきますが、自分たちで話し合うことによって、ルールを確立していきました。自分の思いや考えを伝え合い、折り合いをつけながらルールを確立していくことで、自分たちの遊びへとしていけるのだと思いました。このようにルールをつかいたくなる環境、自分たちで話し合いたくなる環境を保育者が設定することで、あそびを工夫する姿が見られ、子どもたちが主体的にあそびを深めていけるのだと思いました。

また、この実践では小学1年生との交流もありました。幼稚園の小学校との違いは、時間の制限がないということが討議の中で出てきました。時間の制限がないことで、満足できるまで遊べたり柔軟に遊びを変えられたりできます。そのような幼稚園だからこそ、友だちとかかわる中で、自分の思いを伝え合ったり、相手の思いを受け止め、折り合いをつけたりできるよう、保育者が支えていくことが大切だと感じました。

木曜日, 1月 26, 2017

はぐくみ×カレッジ by 香川大学 at さぬきこどもの国 2017 のお知らせ(松本)


昨年に引き続き、今週末の1/29(日)に、さぬきこどもの国と香川大学教育学部幼児教育コースのコラボレーションイベント「はぐくみ×カレッジ by 香川大学」をさぬきこどもの国にて行います(午前・午後開催:10:30-12:00/13:30-15:00)。
子どもたちと保護者のみなさんを主な対象とする、楽しい遊びのイベントです。
今年のテーマは「タイムトラベル」
バルーンに乗っての行き先は、昔の世界か、それとも未来の世界か……!?

香川大学教育学部幼児教育コース2年生を主に、さぬきこどもの国のスタッフのサポートのもと、一緒に準備を進めております。
よろしければ、ご家族みなさんで参加いただけると嬉しいです。
ともに楽しい時間を過ごしましょう!

お問い合わせは、さぬきこどもの国まで。
当日お目にかかれるのを、楽しみにお待ちしております!



火曜日, 1月 17, 2017

みんなに認められることの大切さ(森山真衣)


失礼します。幼児教育コース4年森山真衣です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で『みんなに認められることの大切さ』という事例(大阪府貝塚市立葛城保育所4歳児クラスの保育実践 ちいさいなかま(全国保育団体連絡会/ ちいさいなかま社)540号(2010))を読み、考えたことについて書いていきたいと思います。
この実践は、3歳から入所したAくんについてのものでした。Aくんは友達との関わりが少なく、担任の近くで友達が遊んでいるのを見ているだけでなかなか集団遊びに入っていけませんでした。担任が声を掛けることで少し手は出してみるものの、言葉は出ず、戸惑っていました。他の子はそんなAくんの姿に気付きながら、接し方がわからず戸惑うこともしばしばありました。尾崎保育者は子どもたちがAくんの姿を認め、考えることで、友達への思いへとつながるだろうと考え、保育を組み立てました。

討議では尾崎保育者がAくんのお母さんと一緒に対策を考えることで、家庭でのAくんの姿にも気づくことができ、声かけの工夫ができるようになったことに加えて、家庭でもお母さんにAくんを認めてもらうことで、Aくんが家でも大切にしてもらっているという実感が持てたのではないかという話がでました。
またクラスの子どもたちがしていたちょうちょの表現遊びになかなか入れないAくんを見て、Aくんに「一緒にやろう」と声を掛けるのではなく、クラスの子に「見て!あそこにきれいな花が咲いているよ!」とAくんを花に見立てることで、みんながAくんのところに蜜をすいにやってきました。このことを通してAくんはみんなが自分のところに笑顔で来てくれたことが嬉しく、“みんなが来てくれたからぼくも入っていいんだ!” と安心して自然と遊びに入っていけたのではないかという話もでました。


最初に”みんな”という言葉を読んだとき、周りの子どもたちのことだと思っていましたが、子どもたちだけでなく、親や先生も”みんな”に含まれるのだなと話し合いを通して思い、本当に”みんな”で協力して子どもを支えていくことが大切なのだと感じました。