火曜日, 11月 08, 2016

特定の保育者から離れられないちひろちゃん(水口)

 失礼します。幼児教育コース3年水口陽香です。今回は、保育内容の指導法(人間関係)の授業で『特定の保育者から離れられないちひろちゃん』という事例(松本博雄・第一そだち保育園『子どもとつくる0歳児保育:心も体も気持ちいい』ひとなる書房)について討論をふまえて考えたことを述べたいと思います。
 この事例は、ちひろちゃんという女の子へのかかわりであり、0歳後半児の三項関係形成について書かれています。ちひろちゃんは保育園での生活に安心感が持てず、いつも泣いており、その泣きをあやす保育者(青木保育士)からなかなか離れられません。保育者は”実況アナウンス”という取り組みを行ったり、ちひろちゃんと一緒に楽しい瞬間を積み重ねることで信頼関係を築いていきます。そういった取り組みをするなかで、保育者たちは本当の三項関係には期待や楽しみが必要だということに気付いていきました。
 討論の論点は、0歳のこだわりについてとちひろちゃんにとって離れられなかった保育者はどういう存在だったかということでした。皆と話し合っていくなかで、保育者の存在ははじめ自分がつらいときにそばにいてくれる「都合のいい存在」であったけれども、取り組みを行うことで信頼関係を築くことができたのではないかとなりました。楽しい瞬間を積み重ねることで人とのかかわりに期待が持て、ちひろちゃんの世界が広がったのです。そしてものとのかかわりも見え始め、本当の三項関係が形成されていきました。また、子どもが泣いているのには理由があり、そうさせている環境もあるのではないかということが話題にあがりました。離れられない問題はちひろちゃんと保育者の二人の問題ではなく、それにかかわるすべてのことを見直していく必要があり、保育をしていくなかで大切な視点だなと学ぶことができました。

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