月曜日, 7月 16, 2018

夏祭り(松本)

渡英して3ヶ月半が過ぎました。
日本でも、夏真っ盛りの気温と湿度だと思いますが、こちらでも気づけば夏本番に。
大学では、学生は夏休みに入ったようです。イタリアほか、少し早く始まっている欧州各国の夏休みシーズンとも重なるからか、このところ街は平日週末問わず、人々で溢れています。
そして、小学校や中学校は学年の大詰めで、夏休みまであとひといき。こちらの新学期は9月からのため、7月は年度末ということになります。Drama Play(演劇)の発表会やスポーツ大会、ミニ遠足や宿泊活動等、一日おきといっても過言ではないほど、行事が目白押しです。
(ただし、全ての行事が全員参加ではなく、任意参加のものもあります。その子たちのためには、きちんと別の日課が準備されているようです。)

このあいだの金曜日は、小学校のSummer Fairに。
午後の時間、3年生から5年生は、クラス毎のダンスを、間に先生のダンスが入り、最後は6年生全員での合唱。その後は校庭で、それぞれのブースでのレクや飲食を楽しみます。
最後はくじ引き大会。ありがたいことに、プールのチケットに恵まれました!

年度末の盛りだくさんの日々の中、どうやってダンスを準備したのだろう?というところが気になりましたが、聞けば準備の時間は1週間ほど。
完成度はもちろんそれなり。でも、観客である保護者たちも、先生方も、何より子どもたち当人が、自分たちが踊ったり、歌っているときはもちろん、自分の出番以外でもとても楽しそうな様子が強く印象に残りました。
先生方のダンスの際は、観客席で見ている子どもたちの7-8割が、気づけば踊り出してしまうほど。

日本の場合、卒業式といえば、小学校に限らず、幼稚園や保育所においても、練習にかなりの時間を費やすところが大半ではないかと思います。
授業時間の確保が叫ばれる昨今、卒業式に限らず、運動会や発表会など行事の練習や準備の時間をどう捻出するかは、多くの教育現場で悩ましいところかもしれません。

その貴重な1回1回の練習時間は、どこにつながり、何を生み出しているでしょうか?
「ほら、お客さんに笑顔、忘れないで!」と声をかけずとも、子どもたちがしぜんと笑顔で活動したくなるために、必要なものはなにか。
今、その指示を子どもたちに繰り返すことが、何を可能にし、何を制約するか。
私も含め、日本の保育や教育に関わる大人が、改めて振り返る価値のある課題ではないかと感じました。

学校に関わる比較教育の研究では、どちらかといえば、学力テストや、正課カリキュラムから見えてくる内容等、データとして可視化しやすい部分から論じられることが多いかなと思います。
それらの大切さは、多くの研究者が指摘するとおりでしょう。
いっぽうで、意外とこのような、課外も含めた日々の働きかけの繰り返しこそが、具体的な子どもの自己形成として折り重ねられ、インパクトをもつのではないか。
そんな視点を織り込みつつ、こちらでの新しい調査の準備を進めているところです。







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