木曜日, 7月 05, 2018

Sleepoverから学ぶ(松本)

再び、中学校の話です。
先週の金曜日から土曜日にかけて、Secondary School(日本で言うと中学+高校)でSleepover=お泊まりのイベントがあり、長女が出かけてきました。
主催したのは、学校と、ここCanterburyに拠点を置く、Porchlightというチャリティーの団体です。
中学生らしく、友だちとわいわい、さまざまなことに笑い転げながら、楽しい一晩を過ごして帰ってきました。
現地校にひとりで飛び込んで2ヶ月。考えてみれば大したものです。

Porchlightの目的は、Homelessの人たちの支援。
Homelessというと、どちらかといえば年配の男性を思い浮かべることが多いかもしれませんが、中学生くらいの年齢でも、さまざまな事情で路上で夜を明かさざるを得ない子どもたちがいるそうです。
Sleepoverのパンフレットには、家族の事情で、15歳で家を離れ、路上で一夜を過ごさざるを得なかった子どものエピソードが出ています。

街で出会ったとき、なかなか目を合わせられないこともあるあの人たちは、この夜空のもとでどんな思いでいるのだろう。
友だちと芝生の上で泊まった一晩は、とても楽しかったけれど、とても寒かったようです。

Porchlightと学校が共同で取り組むこの 'sponsored sleepout' は、中学・高校に限らず、小学校も含め、ここカンタベリーではポピュラーな取り組みのようです。
自分と同じ年の子どもが、たまたま生まれた境遇が異なったがゆえに、夜を路上で過ごさざるを得ないこともある。
教室で、机上で学んでもなかなか実感をもって迫ってこないけれど、いきなりそこに迫っていくのも実際のところ躊躇してしまう。たとえ寄付というかたちでお金を出しても、その先にあるものはなかなか見えてこない。
でも、PorchlightもSleepoverのパンフレットで強調しているように、大切な仲間と、楽しさの中でいつの間にかにそれを実感できる学びの機会にこんなかたちで出会えることは、その子の人生においてかけがえのない経験をつくるかもしれません。

日本の学校や、子ども会での宿泊活動のねらいは、どこにあるでしょうか。
小学校高学年から高校生にかけての多感な時期だからこそ、こんなかたちで、私たちの社会を少しずつ前に進めていくための経験を、宿泊活動の中にちょっぴり盛り込むのも意義深いかなと思います。





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