10/23/2012

とことん付き合ってこそ、見えてくる子どもの姿がある(松本)

 10月上旬のことになりますが、香川県の幼児教育支援員派遣事業の一環として、さぬき市立寒川幼稚園に出かけました。
 午前中に保育を見せていただき、午後にそれぞれのクラスから出された事例の検討、そしてこの日の保育について話し合いをします。先生方のお話を伺いつつ、助言者という役回りで、あれやこれやコメントを挟んでいくのが私の役割です。

 寒川幼稚園の本年の園内研究テーマは、「幼児が自ら環境にかかわり遊びこむための環境構成の在り方について考える」というもの。
 特別なものではなく、ある面からみればありふれたテーマかもしれません。

 しかしながら、「子どもが自ら遊びこむ」ことを実践において具体的に保障することは、そう簡単ではないでしょう。
 乳幼児にとって、「遊び」の反対は「生活」「仕事」「勉強」ではなく「退屈」。
 大人が子どもを「(望ましいやり方で)遊ばせる」のではなく、かつ「自然にみまもる」だけでは気づけないであろう、新たな可能性を遊びのなかで膨らませる援助を成り立たせるには、いくつかのポイントがあるはずです。
 「ありふれたテーマ」だからこそ、追求する価値がある、といえるように思います。

 今回の話し合いを通じて見えてきたポイントの一つは、大人がさっと結論を与えることばをかけるのではなく、子どもに“葛藤”できる間を保障すること。
 相手の正しさがわかるからこそ、すぐにそのとおりにはできないのが“ヒトらしさ”でしょう。

 大人は、つい先回りして子どもに声をかけたくなるものです。“とことん付き合う”のは理想的ではあるけれども、それを実践するには、子どもへの信頼と、勇気が求められます。
  そんなとき、それぞれの先生の「勇気」の背中を押せる鍵となるのは、信頼し、高め合える職員集団の存在かもしれません。
 チームとしての力は、個々の先生の力量、キャリアの多寡の関数としては決まらない。
 互いの良さを認め合い、高め合える職員集団と、それを支える場として、それぞれの先生が主体的に自らの実践と、そのときの思いを語れる場が設けられることが大きいのだということを、改めて学ぶことができました。

 話し合いを終えて、『子どもとつくる0歳児保育』(ひとなる書房)を第一そだち保育園の先生方とともにつくったときの、心地よい感覚がよみがえってきました。
 寒川幼稚園の子ども達、そして先生方のこれからがとても楽しみです!

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