月曜日, 7月 13, 2020

7/7 ゼミ『遊びと育ちを支える保育実践』(髙谷)

 こんにちは。松本ゼミ4年の髙谷です。
 今回は、山岡真由美「遊びと育ちを支える保育実践」[松本伊智朗/小西祐馬/川田学=編『遊び・育ち・経験-子どもの世界を守る』2019,明石書店,p127-149]を読みました。

 今回、発表を担当してくれたりさちゃんは、人とイメージを共有して遊ぶには「人への信頼感」と「生活経験」が関係しているということを話してくれました。人への信頼感を育むための過程は、順序性や連続性があるということ。ごっこ遊びには子どもそれぞれの生活経験が関係しているからこそ、子どもの遊びの世界まで生活の格差が影響しているということ。そこから、実際の状況をイメージして、貧困の子どもたちにどのように関わっていけばいいかをみんなで議論していきました。

 経済的貧困の状況にある子どもから出てくる悲鳴にも近い言動や悪態をつく行動を受け止めるには保育者はどうすればいいのか。その議論をしていく中で、「保育者のかかわりにはゴールがある」という言葉がとても印象的でした。貧困状態にある子どもなど、何かしらのハンディギャップを抱えている子どもに対して、もっと遊べるように、健康な生活ができるようにと支援しようとするとき、保育者は何ができるのでしょうか。子どもの様子やその変化に気づくことができるのは、子どもと日々関わっている保育者だと思います。その気づきを園で共有し、様々な専門機関に協力をお願いする必要があるかもしれません。家庭の問題には保育者より的確に支援ができる家庭の専門家がいると思います。では、保育の専門家である保育者の役割は何なのでしょう。保育者がその家族や子どもと直接かかわることができるのは卒園までの時間しかありません。しかし、明確なゴールがあるからこそ、そのゴールに向けて、子どもを信頼して関わることが大切なのだと分かりました。今、子どもが園にいる時間を充実させ、様々な経験の機会や信頼の過程などを形成する補助をしていくことが保育者の役割なのだと思いました。「依存しない」「信頼する」これらは支援をする際に意識しておくべきことだと実感しました。

 今回のゼミは、途上国や貧困などの支援に興味を持っていた私にとって、支援のあり方という面でとても考える内容でした。ただお金があればいいわけではない。便利な機械があればいいわけではない。貧困の特効薬に自分がなるという考えは支援ではないのだと改めて感じました。私はこれを考えたとき、支援と援助の違いがとてもピッタリだと感じました。支援とは「力を貸して助けること」、援助とは「困っている人に力を貸すこと」です。この二つの言葉は一見同じように感じますが、支援はあくまで支えるだけで、行うのは本人です。一方で、援助は本人ができないことを代わりにやってあげることです。この違いを保育に移し替えると、その違いは信頼なのではないでしょうか。相手ができないと思っているからこそ援助という形で、すべてしてあげようと考えます。しかし、相手を信頼していると、保育者はあくまでサポート役であることを理解できます。支援と援助の違いを理解して、自分ができる支援を考えていきたいと思いました。

 「理解し、信頼すること」
 人と人とのかかわりあいにおいて、当たり前のようで意識しないと忘れてしまうことだと思いました。そのようなことに気づくことができたこの時間はとても有意義で楽しい時間だったなと思います。




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