日曜日, 8月 30, 2020

8/17-18 泊まらないゼミ合宿『子育ての分断と連続』(髙橋)

 こんにちは。松本ゼミ3年の髙橋です。今回は、岩田美香「子育ての分断と連続」[松本伊智朗/小西祐馬/川田学=編『遊び・育ち・経験-子どもの世界を守る』2019, 明石書店, p.270-286]を読みました。


 この章は親の育児不安を中心として子育てについて書かれており、私は「育児不安」と「他者との比較」に着目しました。

 近年では核家族化によって育児機能が家族に集中し、親は多様な育児資源や育児機会を取捨選択して子どもに届ける役割を担っています。そのため、わが子の育ちは自分の選択によって決まるかもしれないと責任を感じる親も少なくないでしょう。それを感じやすいのが「他者と比較」する場面だと思います。比較した結果、他者との差を感じて悩みや不安を抱き、その差が自分の選択の責任だと感じてさらに悩みや不安が増幅していくのではないかと考えます。


 みんなの感想を聞く中で、他者と比較する場面は私たちの生活に沢山存在しているのだと感じました。育児資源や育児機会を利用していく中で知らないうちに他者と競争させられていたり、SNS上でパッと偶然目に入ってきた情報によって他者と比較してしまったりすることもあります。家族の外部とつながればつながるほど得られる情報が多くなったり人との関わりが生まれたりしますが、外部を知る分他者と比較する(比較してしまう、比較せざるを得ない)場面に多く直面するのだと思いました。


 「他者との比較」によって「育児不安」になることもあるのだと知り、保護者の育児不安を少しでも軽減するために保育者の関わり方において何を心がけるべきか話し合いました。ものさしの多様化、子どものできていること(今)を伝える、何に不安を感じているのかを知る、話せる雰囲気づくり、保護者を認める、重く受け止めすぎずに聴く、と沢山の心がけるべきことが挙がりました。これらの共通点を考えると、“安心”。子どもの安心と同じように保護者の安心をも確保することが大切だと思います。保護者にもしっかり目を向けることの重要性をとても感じました。


 この本を通して、今まで知らなかったことや今まで何となく疑問に感じていたことを学ぶことができ、自分の世界が広がったように感じます。読みながら自分の経験と結びつけて考えたり、将来こんな風になりたいと思い描いたりして、過去のことも未来のことも考え深められて楽しかったです。この本が出会わせてくれた新たな興味や疑問をこれからも考え続けていこうと思います。




0 件のコメント:

コメントを投稿